レベルダイヤとは?
高周波発振器やRF回路を設計する際、
小さな信号をどのようにして目標出力電力まで引き上げるかを整理する図を
**レベルダイヤ(Level Diagram)**と呼びます。
これは単なる数値の足し算ではなく、
- 各段の利得
- 減衰量
- マージン
- 飽和余裕
- 実装損失
を整理しながら、最終的な出力を設計するための「設計地図」です。
🚃 電車で例えると
電車移動に例えると分かりやすいです。
出発地(発振器の出力)から
目的地(目標出力電力)まで行くとき、
- 電車(増幅器)
- バス(ドライバ段)
- 徒歩(ケーブル損失)
- 乗り換え時間(マージン)
を考えてルートを組みます。
途中で
- 電車が混雑(飽和)
- バスが遅延(利得不足)
- 徒歩距離が長い(損失大)
といった要素があると、到着時間=最終出力が変わります。
レベルダイヤは
この「移動計画」を事前に組む作業に似ています。
🔢 具体例:+0dBmから+30dBmへ
例えば、
発振器出力:
0 dBm
目標出力:
+30 dBm(1W)
必要な総利得は:
30 dB
仮に構成が
- プリアンプ:+15 dB
- ドライバ:+15 dB
- ケーブル損失:-1 dB ・・・以外とロスる!
なら、
0 + 15 + 15 – 1 = 29 dBm
→ 1dB足りない
この「1dB不足」に気付けるのがレベルダイヤです。

🛠 レベルダイヤを作らずに設計すると…
- 最終段が飽和して歪む 業界用語「押してもパワーが出ない」「サチ(Psat)る」
- ノイズが支配的になる
- 発振余裕が足りない
- 想定出力が出ない データシート通りに行かない
などのトラブルが起こります。
経験だけで設計すると、
後からパワー不足に気付きやり直しになることも少なくありません。

📊 レベルダイヤは設計の安全マージンを見える化する
重要なのは
- 各段の1dB圧縮点(P1dB)
- IM特性
- 温度変動
- 部品ばらつき
まで考慮して余裕を持たせることです。
単なるdB足し算ではなく、
安全マージンを含めた電力設計図がレベルダイヤです。
まとめ
レベルダイヤは
✔ 小信号から目標出力までの増幅設計図
✔ 利得・損失・マージンの可視化
✔ トラブルを未然に防ぐ設計手法
高周波発振器設計では必須の考え方です。
小規模な実験系から本格的な電力増幅器まで、
設計段階でレベルダイヤを整理することをおすすめします。
完成したのに 「パワーが足りない・・・」となると かなり悲しいです。