第4回 波長を忘れるな

高周波の世界では、
波長(λ)を常に気にすることが基本です。

周波数だけ見ていると、
必ずどこかで痛い目を見ます。

■ まずは超基本公式

覚える式はこれだけ。λ[mm]=300f[GHz]\lambda [mm] = \frac{300}{f[GHz]}λ[mm]=f[GHz]300​

例えば、

2.45GHz の場合:300÷2.45=122.5mm300 ÷ 2.45 = 122.5mm300÷2.45=122.5mm

2.45GHzの波長は約122mm

これを“体で覚える”ことが大事です。

■ λの感覚を持て

周波数波長
1 GHz300 mm
2.45 GHz約122 mm
5.8 GHz約52 mm
10 GHz30 mm

周波数が上がるほど
波長は短くなる

つまり、

✔ 配線が効いてくる
✔ ケースサイズが効いてくる
✔ ネジ位置も効いてくる

波長に対して

  • パターンがλ/2になる
  • ケース内がλ共振になる
  • フィードバック経路がλ/4になる

こういう条件がそろうと
意図しない発振が起こります。  基本波の周りに見覚えの無いスペクトルが沸く

「理屈は分からないけど発振する」

新人時代、これが一番怖いです。  知らないうちに増幅FETが壊れている

■ ケース設計とネジ間隔

金属ケースは共振器になります。

目安として、

✔ ネジ間隔は λ/10 以下
✔ 開口部は λ/20 以下

2.45GHzなら:

λ ≒ 122mm
λ/10 ≒ 12mm

つまり
1cm程度で固定すると安心

・・・そうは言っても 実際はそんなにネジを立てられないのでλ/4間隔

■ 同軸の長さも波長

同軸ケーブルも「ただの線」ではありません。

  • λ
  • λ/2
  • λ/4

の長さになると、
インピーダンスが変わったり、
谷(ノッチ)になったりします。

■ 出力が低いときに疑うこと

「アンプ壊れたかも?」

その前に。

✔ ケーブル長は?
✔ 負荷位置は?
✔ ケース寸法は?

高い周波数になるほど、
数cmの違いが効いてきます。

2.45GHzでは10cm単位
10GHzでは数mm単位

世界が変わります。

■ 現場でよく言われること

周波数を見るな。
まず波長を考えろ。

波長を意識するだけで、

  • 発振トラブル
  • 出力低下
  • 不安定動作

の多くが説明できます。

■ まとめ

✔ λ = 300 / GHz
✔ ケースも共振器
✔ ケーブルも共振器
✔ λ、λ/2、λ/4 を常に意識

波長感覚が身につくと、
高周波回路は一気に「立体的」に見えてきます。