インピーダンスとは? なぜ50Ωなのか
高周波の世界では、必ず出てくる数字があります。
50Ω
同軸ケーブル
測定器
アンプ
アッテネータ
ほとんどすべてが 50Ω です。
では、なぜ50Ωなのでしょうか?

■ 抵抗とインピーダンス
まずここを整理します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 抵抗 | 直流の電気の流れにくさ |
| インピーダンス | 交流(高周波)の流れにくさ |
単位はどちらも Ω(オーム) です。
しかし高周波では、
- 抵抗
- 容量(C)
- インダクタンス(L)
が合わさったものになります。
つまり周波数によって値が変わる
これが抵抗との違いです。
■ なぜ50Ω?
実は50Ωは、理論的に一番良い値ではありません。
同軸ケーブルには
- 損失が最小になる値
- 電力が最大になる値
があります。
| 条件 | インピーダンス |
|---|---|
| 最小損失 | 約77Ω |
| 最大電力 | 約30Ω |
その 中間を取った値 が 50Ω です。
つまり
✔ 電力も流せる
✔ 損失も小さい
というバランス型です。
■ 同軸ケーブルは「金太郎飴」

同軸ケーブルは断面を見ると
- 中心導体 芯線
- 絶縁体 インシュレータ
- シールド 外側の金属筒
という構造になっています。
この形状がずっと続いています。
つまり
どこで切っても同じ構造
これをよく
「金太郎飴構造」
と呼びます。
この構造によって
ケーブルのインピーダンスが 50Ω に保たれています。
メモ:メーカ毎に素材が違います。 芯線がより線ならしなやかに曲げられるなど・・・
■ 高周波測定の基準
測定器もすべて50Ωです。
例えば
- スペクトラムアナライザ (SA)
- ネットワークアナライザ (VNA)
- RFパワーメータ (PM)
入力インピーダンスは
50Ω
です。
つまり、
高周波測定では
50Ω = 世界共通ルール
になっています。

■ 他のインピーダンス
実は50Ω以外も存在します。
| インピーダンス | 用途 |
|---|---|
| 50Ω | RF・マイクロ波 |
| 75Ω | TV・CATV |
| 60Ω | 一部通信 |
| 300Ω | 古いテレビアンテナ |
特に 75Ω は
テレビや映像系でよく使われます。
理由は
信号損失が少ないからです。
■ まとめ
✔ 抵抗とインピーダンスは似ているが違う
✔ 高周波では周波数によって変わる
✔ RFの世界では50Ωが基準
✔ 同軸ケーブルは金太郎飴構造
50Ωを基準にして考えることで、
高周波回路は安定して動きます。
業界用語「50Ωで測定した結果何W確認できました。」