一方的な思いは届かない ・・・
直流回路に慣れていると、
高周波で最初に戸惑うのがこれです。
反射
直流では基本的に起きない現象です。
しかし高周波では、
エネルギーが戻ってくることがあります。
■ 一方的なエネルギーは届かない
例えば、
発振器 → ケーブル → 負荷
というシンプルな回路を考えます。
発振器:50Ω
ケーブル:50Ω
負荷:50Ω
この場合は
エネルギーは全部負荷に届きます
しかし
負荷が
- 10Ω
- 300Ω
だったらどうなるでしょう?
エネルギーの一部が
発振器側へ戻ります
これが 反射 です。
■ 反射の定義
反射は
インピーダンスが一致していないときに発生
します。
つまり
50Ω → 50Ω → 50Ω
なら問題なし。
しかし
50Ω → 50Ω → 10Ω
だと
整合(マッチング)が取れていない
状態になります。
■ 高周波加熱で起きる現象
例えば
マイクロ波加熱装置。
もし負荷が整合していないと、
- 電力が戻る
- 発振器側へ反射
- 負荷へ届く電力が減る
結果
加熱しない
という現象が起きます。
■ 反射があるとどう見える?
測定では S11 を見ます。 S11(呼称:エスイチイチ)
S11とは
どれだけ反射しているか
を示す値です。 ※S11の意味は別機会で説明します。
スミスチャートでは
中央が
50Ω(完全整合)
です。
中心から離れるほど
反射が増える
ことを意味します。

■ 現場での感覚
新人の頃によく言われるのがこれです。
「整合していないと電力は届かない」
つまり
✔ 回路はつながっている
✔ 電気は流れている
それでも
エネルギーは届いていない
ということが起きます。
これが
高周波の世界の難しさです。
■ まとめ
✔ 高周波では反射が起きる
✔ 原因はインピーダンス不一致
✔ 整合(マッチング)が必要
✔ S11で反射を見る
✔ スミスチャート中心が50Ω
整合が理解できると、
- アンテナ
- 増幅器
- 加熱装置
- 測定
すべてがつながって見えてきます。