第7回 壊したら始末書     ベクトルネットワークアナライザ(VNA)

高周波の測定で必ず出てくる装置があります。

VNA(Vector Network Analyzer)

略して VNA と呼ばれます。

アンプ
フィルタ
ケーブル
アンテナ

などの 高周波特性を測定する装置です。

■ 何を測定しているのか

VNAは簡単に言うと

信号を入れて、どれだけ戻ってくるか・通過するか

を測っています。

つまり

  • 入力した信号
  • 反射した信号
  • 通過した信号

を測定しています。

■ まず最初にやる設定

VNAを使うときはまずこれです。

周波数設定

  • Center(センター)
  • Span(スパン)

例:

Center
2.45 GHz

Span
500 MHz

すると

2.2GHz ~ 2.7GHz

を測定します。

■ キャリブレーション

測定前に必ず行うのが

キャリブレーション

ケーブルやコネクタの影響を取り除くためです。               ※ケーブルの先端を基準としたい

新人の頃はよくこう言われますます。

「ネットワークのキャル取っといて」

OPEN  オープン
SHORT  ショート
LOAD   ロード

この3つです。

順番に

  • OPEN(開放)
  • SHORT(短絡)
  • LOAD(50Ω)

を接続して校正します。

S11だけの場合はポート1だけをキャリブレーションします。

S21も測定する場合はポート1とポート2をキャリブレションします。

その際に THRU スルー という作業も入ります。※ポート1とポート2の直結

■ Sパラメータとは

VNAの測定結果は

Sパラメータ

で表示されます。

記号意味
S11 エスイチイチ入力反射
S21 エスニーイチ通過特性
S12 エスイチニー逆方向通過
S22 エスニーニー出力反射

■ S11(入力特性)

S11は

ポート1から見たポート1の信号

つまり

どれだけ反射しているか

です。

簡単に言うと

50Ω信号の入りやすさ

を見ています。

例えば

  • アンプ入力
  • アンテナ
  • 負荷

などを測定します。


■ S21(通過特性)

S21は

ポート2から見たポート1の信号量

つまり

  • ゲイン
  • ロス

を測っています。

アンプ → ゲイン

ケーブル → 損失

フィルタ → 通過帯域


■ S12(アイソレーション)

S12は

ポート1から見たポート2の信号量

つまり

逆方向にどれだけ漏れるか

を測っています。

例えば

  • アンプの逆漏れ
  • アイソレータの性能

などを確認できます。


■ S22(出力側)

S22は

ポート2からポート2の信号量 

つまり

出力側の整合

です。

ただし 増幅器では測定しないのがほとんどです

ポートへの過入力で破損するから(課長主任クラスでもうっかり壊す)

「増幅器のS22は・・・公称50Ωでいい」

とよく言われます。


■ まとめ

VNAは

高周波回路の特性を測る装置

です。

主に見るのは

  • S11(入力整合)
  • S21(ゲイン・ロス)
  • S12(逆漏れ)
  • S22(出力整合)

この4つです。

最初は難しく感じますが、

S11とS21

この2つが分かれば
多くの測定ができるようになります。