高周波の測定で必ず出てくる装置があります。
VNA(Vector Network Analyzer)
略して VNA と呼ばれます。
アンプ
フィルタ
ケーブル
アンテナ
などの 高周波特性を測定する装置です。
■ 何を測定しているのか
VNAは簡単に言うと
信号を入れて、どれだけ戻ってくるか・通過するか
を測っています。
つまり
- 入力した信号
- 反射した信号
- 通過した信号
を測定しています。
■ まず最初にやる設定
VNAを使うときはまずこれです。
周波数設定
- Center(センター)
- Span(スパン)
例:
Center
2.45 GHz
Span
500 MHz
すると
2.2GHz ~ 2.7GHz
を測定します。
■ キャリブレーション
測定前に必ず行うのが
キャリブレーション
ケーブルやコネクタの影響を取り除くためです。 ※ケーブルの先端を基準としたい
新人の頃はよくこう言われますます。
「ネットワークのキャル取っといて」
OPEN オープン
SHORT ショート
LOAD ロード
この3つです。
順番に
- OPEN(開放)
- SHORT(短絡)
- LOAD(50Ω)
を接続して校正します。
S11だけの場合はポート1だけをキャリブレーションします。
S21も測定する場合はポート1とポート2をキャリブレションします。
その際に THRU スルー という作業も入ります。※ポート1とポート2の直結
■ Sパラメータとは
VNAの測定結果は
Sパラメータ
で表示されます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| S11 エスイチイチ | 入力反射 |
| S21 エスニーイチ | 通過特性 |
| S12 エスイチニー | 逆方向通過 |
| S22 エスニーニー | 出力反射 |
■ S11(入力特性)
S11は
ポート1から見たポート1の信号量
つまり
どれだけ反射しているか
です。
簡単に言うと
50Ω信号の入りやすさ
を見ています。
例えば
- アンプ入力
- アンテナ
- 負荷
などを測定します。
■ S21(通過特性)
S21は
ポート2から見たポート1の信号量
つまり
- ゲイン
- ロス
を測っています。
例
アンプ → ゲイン
ケーブル → 損失
フィルタ → 通過帯域
■ S12(アイソレーション)
S12は
ポート1から見たポート2の信号量
つまり
逆方向にどれだけ漏れるか
を測っています。
例えば
- アンプの逆漏れ
- アイソレータの性能
などを確認できます。
■ S22(出力側)
S22は
ポート2からポート2の信号量
つまり
出力側の整合
です。
ただし 増幅器では測定しないのがほとんどです
ポートへの過入力で破損するから(課長主任クラスでもうっかり壊す)
「増幅器のS22は・・・公称50Ωでいい」
とよく言われます。
■ まとめ
VNAは
高周波回路の特性を測る装置
です。
主に見るのは
- S11(入力整合)
- S21(ゲイン・ロス)
- S12(逆漏れ)
- S22(出力整合)
この4つです。
最初は難しく感じますが、
S11とS21
この2つが分かれば
多くの測定ができるようになります。