第8回 壊したらやっぱり始末書 高周波増幅回路の測定系

― アンプはどうやって評価するのか ―

自作した増幅回路や、市販の増幅器を評価するときは
専用の測定系を組みます。

基本的な構成は次のようになります。

■ 基本測定系

基本構成は

SG → DUT → ダミーロード

ですが、途中に測定器を入れます。 第1回のレベルダイヤを思い出してください。

■ 測定系の構成

信号源

SG(Signal Generator)  呼称:えすじー

基準となる信号を作ります。 

周波数と出力電力を設定します。

使用したい周波数帯をカバーしている信号発生器を選択します。

入力電力測定

SG

方向性結合器

パワーメータ

入力電力を正確に測定します。

SGの表示値だけを信じるのは危険です。

DUT

DUT(Device Under Test)

評価する装置です。

  • 自作アンプ
  • 市販アンプ
  • フィルタ
  • 回路モジュール

などです。

出力電力測定

DUT出力側では

方向性結合器を使い

  • パワーメータ
  • スペクトラムアナライザ

へ信号を分岐します。

スペクトラムアナライザ(SA)

SAでは

  • 高調波
  • スプリアス
  • ノイズ

などを確認します。

終端 (終端抵抗器 50Ωダミーロード)

・・・DUTから出力されたエネルギーを吸収してくれる素子の事(吸収→熱に変換)

最後は必ず

50Ω終端

にします。

これが

ダミーロード

です。

■ ダミーロードの注意

ダミーロードは

  • 周波数特性
  • 耐電力
  • 冷却

を確認する必要があります。

特に高出力アンプでは
熱が非常に大きくなります。

■ 電力に注意

増幅回路を測定するときに
一番注意するのが

最大入力電力

です。

測定器注意点
パワーセンサー最大入力
スペクトラムアナライザ最大入力
ダミーロード耐電力

例えば

100Wアンプの場合

直接SAへ入れると
壊れます。

必ず

  • 方向性結合器                            50dBmの信号量を30dBの方向性結合器でピックアップすると20dBmで測定できる。※但し、方向性結合器の周波数特性に注意
  • アッテネータ                            20dBmまで下げたけどパワーメータの最大入力に近いので20dBのアッテネータ(減衰器)を入れて、パワーメータの入力を0dBmまで下げる

といった内容で電力を下げます。

■ コネクタも重要

意外と見落とされるのが

コネクタ

です。

高出力では

  • 接触不良
  • 発熱
  • 破損

が起こることがあります。

また

余計なアダプタを増やすと

  • 損失
  • 反射

が増えます。

そのため

ダミーロードは

できるだけ直接接続

するのが基本です。


■ まとめ

増幅器の測定系は

SG

入力電力測定

DUT

出力電力測定

ダミーロード

という構成になります。

そして最も重要なのは

電力管理

です。

測定器の最大入力を超えると
簡単に壊れてしまいます。