第9回 必ずズレます

周波数特性(f特)とは何か

― 同じ装置でも、周波数で性能は変わる ―

高周波の世界では、どんな部品にも必ずあります。

周波数特性(f特)

通称 f特 と呼ばれます。


■ f特とは何か

簡単に言うと

周波数によって性能が変わること

です。

例えば

  • アンプのゲイン
  • ケーブルの損失
  • フィルタの通過特性
  • 結合器の結合度

すべて

周波数で変わります。


■ なぜ変わるのか?

一番の原因はこれです。

波長(λ)

周波数が変わると

  • 配線長
  • ケースサイズ
  • 部品サイズ

との関係が変わります。

理想はフラット(一定)ですが、実際は

  • 傾き

が出ます。


■ 実際の例(方向性結合器)

例えば

2.45GHzで

-30.0 dB

の結合器があったとします。

でも実際には

  • 2.40 GHz → -30.5 dB
  • 2.45 GHz → -30.0 dB
  • 2.50 GHz → -29.5 dB

こうなります。


■ 何が起きているか

これは

✔ 波長との関係
✔ 内部構造の共振
✔ 配線長の影響

などによって起きます。

つまり

完全に一定にはならない

ということです。


■ 現場での注意

新人の頃、よく言われるのがこれです。

「1点だけ見るな」

例えば

2.45GHzだけ見てOKでも

  • 少し周波数がズレる
  • 温度が変わる
  • 個体差がある

と結果が変わります。


■ メーカー製品でもズレる

重要なポイントです。

✔ 高価な製品でも
✔ 有名メーカーでも

f特は必ずあります。

仕様書にも

  • ±0.5 dB
  • ±1 dB

といった形で書かれています。


■ ピックアップ用途での注意

方向性結合器で

電力モニタ(ピックアップ)

をしている場合、

このズレはそのまま

測定誤差

になります。

つまり

  • 実際より多く見える
  • 実際より少なく見える

ということが起きます。


■ まとめ

✔ f特はすべての高周波機器に存在
✔ 原因の多くは波長
✔ 完全にフラットにはならない
✔ 1点だけ見ない
✔ 測定誤差の原因になる